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腰痛の原因「Modic変性」とは ― 腰痛あれこれ③

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  • Modic変性は、椎間板と骨の境目にある「椎体終板」の変化です
  • MRIの信号によって、タイプ1から3に分けられます
  • タイプ1・2は腰痛との関連が報告されていますが、腰痛の原因は様々です

前回は、MRIに映る「HIZ」という所見についてお話ししました。今回は、腰痛のもうひとつの原因とされる「Modic(モディック)変性」についてお話しします。

Modic変性とは

“Modic(モディック)変性”という言葉を聞いたことはありますか?Modic変性は、腰痛の一つの原因とされています。Modic変性は椎間板という脊椎のクッションと脊椎骨の間にある“椎体終板の変化”を表しています。1988年にModicらによりMRI上の変化が検討され3つのタイプに分類されました。

タイプ1 ― 急性期の骨髄浮腫

Modic タイプ1は急性期の骨髄浮腫で、特に腰痛に関連するとされています。組織学的には血管に富む線維結合織の増生を認めます。MRIでは、T1強調画像で低信号(黒色)、T2強調画像で高信号(白色)を示します。このMRI信号変化は“怖い腰痛”の一つである“化膿性脊椎炎”(せぼねの感染症)と同じためしばしば鑑別を要します。

タイプ2 ― 脂肪変性

Modicタイプ2は脂肪変性です。組織学的には脂肪髄です。T1強調画像で高信号(白色)、T2強調画像で高信号(白色)を示します。

タイプ3 ― 骨硬化

Modicタイプ3は骨硬化です。組織学的には骨硬化や線維化です。椎体変性の最終像です。T1強調画像で低信号(黒色)、T2強調画像で低信号(黒色)を示します。

進行すると腰痛はよくなるのか

一般的に変性の進行によりタイプ1からタイプ2へ、そしてタイプ3へと変化するとされています。すなわち、進行により椎体間の安定化、腰痛の改善につながるのでしょうか。OhtoriらはModicタイプ 1タイプ2患者の椎体終板(椎間板と接する部分)の組織について調べ、末梢神経線維と腫瘍壊死因子α(炎症性サイトカイン)がModic変化のない患者に対し多いことを報告しています。このことはModicタイプ 1とタイプ2の患者において椎体終板に炎症が生じていることを示唆し,腰痛との関連を裏づけると報告しています。一方、Modic タイプ3は腰痛患者では少ないことが報告されています。しかし、Modic タイプだけで腰痛原因として決定することはできません。腰痛の原因は様々であり、Modic変性は目に見える(画像でとらえられる)原因の一つでしかありません。

当院での治療

当院ではMRI検査にてModic変性を認め、それが腰痛の主原因と判断した際、内服や腰部固定、運動療法で改善しない場合、椎間板ブロックによる治療もしています。さらに、近年Modicタイプ1に対する椎間板内PRP注入療法の優れた経過報告がされており、当院でも椎間板内PFC-FD注入療法を行っております。お問い合わせいただければ幸いです。

椎間板内PFC-FD注入療法について

  • 自由診療(保険適用外)です。
  • 治療内容:患者さん自身の血液より作成したPFC-FD※(血小板由来因子濃縮 凍結乾燥物)を、透視下に椎間板内注入します。
  • 費用:440,000円(税込)
  • 主なリスク・副作用:注射部位の痛みや腫れ、一時的な腰痛の増強、感染(椎間板炎)などが生じることがあります。
  • 効果には個人差があります。

※PFC-FDとは、PRP(多血小板血漿)を活性化、無細胞化し、濃縮したものをさらにフリーズドライ化したものです。

よくあるご質問

Q. Modic変性が見つかったら、それが腰痛の原因なのですか?

必ずしもそうとは限りません。腰痛の原因は様々で、Modic変性は画像でとらえられる原因の一つです。症状と画像所見を合わせて判断いたします。

Q. タイプ3まで進めば、腰痛はよくなるのですか?

タイプ3は腰痛のある方では少ないと報告されていますが、進行すれば必ず改善するというものではありません。

Q. 椎間板内PFC-FD注入療法とはどのような治療ですか?

患者さん自身の血液より作成したPFC-FD(血小板由来因子濃縮 凍結乾燥物)を、透視下に椎間板の中へ注入する治療です。自由診療となります。費用やリスクを含め、診察の際に詳しくご説明いたします。

【参考文献】
Ohtori S, et al. Tumor necrosis factor-immunoreactive cells and PGP 9.5-immunoreactive nerve fibers in vertebral endplates of patients with discogenic low back Pain and Modic Type 1 or Type 2 changes on MRI. Spine. 2006;31(9):1026-31.
Kawabata S, et al. Intradiscal administration of autologous platelet-rich plasma in patients with Modic type 1 associated low back pain: A prospective pilot study. JOR Spine. 2024.

本記事の執筆・監修
網代 泰充あじろ やすみつ
大宮リビータ整形外科 院長 / 整形外科専門医 ・ 脊椎脊髄外科指導医
※ 本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の症状に対する診断や治療を代替するものではありません。気になる症状がある方は、医療機関までご相談ください。
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